10代 男子 陸上選手(短距離)
中学から陸上部に所属。
中学3年のころ、シンスプリントで半年練習を休む。
復帰してすぐに肉離れ発症。
以降、定期的に(1年に1回~2回)肉離れを繰り返している。
いつも同じ右足太ももの後ろ側。
現在、大学の陸上部に所属。専門は短距離。
年明けの練習中に肉離れ発症。
1ヶ月ほど休み練習復帰。それから1ヶ月ほど経って全く同じ箇所を痛める。
年明けの肉離れは練習を休み、近くの接骨院へ通い完治。
今回は特に練習はハードでなく、ストレッチ等も注意した中での肉離れだったので心配になって、インターネットで検索し当院へ来院。
足を引きづりながら来院。
歩行はもちろん、姿勢を変えるときに力を入れると痛い。
押しての痛みもある。
痛みの範囲が広く、その中で複数シコリのようなものが存在する。
ふくらはぎ下部~アキレス腱にかけて少し熱を持っている。腫れも多少ある。
「本当だー、今まで全然気にしてなかったです」
まずはカラダ全身の歪み、ねじれを整える。
「なんか気持ち良いですね、寝そうです。」
カラダ全身が緊張していて初めは力が抜けない状態だったが、徐々に脱力できるようになっていく。
まずはふくらはぎ~アキレス腱にかけての腫れを取り除いていく。同時に足関節のねじれを修正。
「さっきと全然違うます、軽い」
続けて太もも裏の肉離れへ。
痛みが広範囲にあり、押しての痛みがあるということだが、確認していくと押しての痛みは数か所あるシコリの部分と一致して、ほかの部分は押しての叩いても響く程度で痛みは出ない。
シコリになっているところを1つずつ取り除いていく。
しばらくしてほとんどのシコリ消失。
「え?なくなってますね!!」
うつ伏せでの曲げ伸ばしはこの時点で痛みがゼロに。太もも前側に張りを感じるので仰向けで施術を続ける。
当院へ来院される怪我を抱えているスポーツ選手はほとんどの方が筋肉が固い。
練習過多による疲労の蓄積、不十分なストレッチ等のケア、無理な筋トレ等々、原因として考えられることは山ほど。
この子も全体としての緊張はあったものの、筋肉だけをとってみるととてもやわらかい。これには驚いた。
中学から怪我を繰り返していたので、日頃からストレッチなど多くの時間を費やしているという。
太ももの張りもしばらくして抜けてきたので立って動いてもらう。
「全然違う、カラダが軽過ぎる」
「そもそも立って歩いて痛くない」
「屈伸できますよ!!」
「走れるー!!!!」
痛み消失。カラダも来たときとは別物のような軽ろやかさ。(来院時は足を引きづっていた。)
この状態ならすぐに走っても問題ないだろう。
日頃のケアの仕方やストレッチの方法、アキレス腱~ふくらはぎのセルフケアを伝えて終了。
肉離れや捻挫…よく癖になっているという事を耳にする。
癖になっているから繰り返すのではなく、完全に治っていないうちから練習に復帰して繰り返している事の方が多い気がする。
今回の肉離れに関しては前回の肉離れのなごりが残っていた状態といえる。
本人も施術後に話していたが、年明けに肉離れして痛みがなくなってからも太もも裏のシコリは残ったままだったという。
「もっと早く来ればよかったなー」
それから30分ほどしてメールが入った。
「帰る途中に信号が赤に変わりそうだったんですよ…そしたら自然に走ってました!!渡りきったときに笑ってしまって周りから不審に思われました笑」
この療法との出会いが、自分自身の肉離れであった。
あのとき受けた衝撃が、今度は施術者側として味わえるというのはなんだかまた違った喜びだった。
コメント